BtoB向けのビジネスを展開している企業にとって、新規顧客開拓は売上の拡大に欠かせない指標のひとつです。
しかし、新型コロナウイルスの流行以降、訪問営業など従来の営業手法で新規顧客を獲得することが難しくなってきています。
そのため、このように考えている営業担当者や営業責任者も多いのではないでしょうか?
- 従来のやり方では成約が伸びず、他の戦略を検討したい
- 社内提案のために、BtoBの新規開拓のやり方を幅広く知りたい
そこで今回は、BtoBの新規開拓が難しくなった原因や効果的なマーケティング施策を9つ、ポイントについて紹介していきます。
この記事を読むことで、従来の営業手法から新たな施策を知ることができ、売上低迷から脱却するきっかけをつかめるようになります。
BtoBビジネスの新規顧客開拓が困難となった原因
ここれまでBtoB営業は、訪問や展示会などで、会って会話をしながら自社の商品やサービスに興味をもってもらうことが一般的でした。いわゆる「足で稼ぐ営業」です。
しかし、世界的な感染症の流行により、新規開拓が難しくなりました。ここではその原因について解説していきます。
コロナ禍によるリモートワークの普及
リード獲得数が減少した大きな理由が、2020年以降の新型コロナウイルスの流行です。外出制限がかかり、政府は企業のテレワークを推奨するようになりました。
「オフィスに直接訪問しての営業活動」や「展示会やセミナーの実施」などといった、従来のフィールドセールスが使えなくなったことで、足で稼ぐ営業はリード件数に繋がりにくくなったのです。
2022年現在、コロナウイルス流行当初よりもリモートワークは減少していますが、企業によってはリモートワークを継続する動きも見受けられます。下記の表を見てみましょう。

出典:公益財団法人 日本生産性本部「働く人の意識に関する調査結果レポート」
コロナウイルス流行当初は、約3割がリモートワークを実施していましたが、2022年の春にはリモートワーク実施率が20%となっています。
対面式の営業活動が徐々にできるようになってきてはいるものの、企業によってはオンライン商談を実施したり、コロナウイルスをきっかけに新たな取り組みとして、オンラインでのリード獲得を開始している企業も増えてきています。
購買行動に大きな変化が生まれた
ユーザーの購買行動にも大きな変化が生まれました。これまでは気になった企業に問い合わせて、営業マンの説明を受けてから最終的な判断を下す流れが一般的でした。
しかし昨今は、ユーザーはオンラインですべて解決する傾向にあります。
- 資料はWeb上からダウンロード
- オンラインで企業同士を比較
- 無料体験があるサービスに申し込んでまずは使ってみる
ここには営業マンが一切関与せず、ユーザー自らで検討しています。
すなわち、従来の対面営業方法ではユーザーの購買プロセスのニーズに応えられなくなったのです。ユーザーの検討プロセスにマッチした、新しいリード獲得方法を実践する必要があります。
BtoBの新規開拓に効果的なリード獲得施策9選
これまでお伝えしてきたように、ユーザーは商品やサービスをオンラインで知り、比較検討後に購入する傾向にあります。
新規顧客の獲得数を上げるためには、自社に適した施策を行うことが大事です。
ここでは、オンライン・オフラインにわけて、BtoBに効果的なマーケティング施策を9つご紹介します。
ビジネスによってそれぞれ向き不向きがありますので、カスタマージャーニーと照らし合わせて検討してみてください。
オンライン
BtoBに効果的なオンラインの施策を6つ紹介していきます。
①コンテンツマーケティング+SEO
BtoB営業のリーチ獲得においてWebサイトのコンテンツは欠かせません。多くの場合、見込み客は自社のWebサイトを訪れて、商品やサービスをチェックするからです。
この時に訪問ユーザーが欲しい情報を提供することで、リーチ獲得数が大幅に変わるでしょう。カスタマージャーニーを作り変えたら、ユーザーが求める情報を整理してWebサイトにコンテンツを配置しましょう。
さらにSEO対策(検索結果の上位施策)を行うことで、自社製品・サービスに関連するユーザーを集客することはもちろん、認知していないターゲット層へのアプローチすることも可能となります。
構築には時間と費用がかかり、SEO対策は効果が出るまで早くとも半年~1年以上かかることもあります。しかし、コンテンツが上位表示されれば24時間働いてくれるセールスマンとなり、極めてコストパフォーマンスの高い投資になるはずです。
②Webセミナー(ウェビナー)
オンラインで行われるWebセミナー(ウェビナー)を開催する企業も増えてきました。たとえば、マーケティング企業であれば「マーケティングに欠かせない10の法則」などのテーマで企画して見込み顧客を集めます。
参加者のほとんどは、内容を把握した上でWebセミナーに参加しているため興味・関心度合いが高いです。また、オンライン上での開催なので、時間を確保してもらいやすいメリットがあります。
Webセミナーの最後にアンケートを実施することで、顧客のリアルな声を聞くことも可能なため、商事・サービスの疑問を払拭することも可能となります。
Webセミナーの目的はセールスではなくリード獲得にありますので、開催することで十分な効果を見込めるでしょう。
③Web広告
Google、Yahoo、Twitter、YouTubeなどWeb上の広告枠に投資する企業が増えています。
たとえば、人事管理ソフトを検討する際には、複数のメンバーで候補の企業を洗い出してから比較検討する流れが一般的です。
このときに広告で認知されていれば「そういえば、あの広告で有名なソフトがあったよね?」と思い出してもらうきっかけを与えられます。
Web広告は、ターゲティングが可能なケースが多いです。
ターゲット選定をしたうえで、必要な人の目に入るように仕掛けていくことで効率よく見込み顧客を獲得できます。また、WEB広告でのリード獲得を最大化するためには、自社の商材・サービスやターゲットに合った広告を選択することも重要です。
| 広告手法 | 媒体 | 詳細 |
|---|---|---|
| リスティング広告 | Google Yahoo など | 検索エンジンの上部に表示される広告で、顕在層にアプローチでき、短期間でのリード獲得が見込める |
| ディスプレイ広告 | Google Yahoo など | Webサイトやアプリなどの指定された枠に表示される広告。 幅広く訴求できるため潜在層のアプローチに最適 |
| リターゲティング広告(リタゲ) | Google Yahoo など | 自社サイトに一度訪問した方に配信される広告。 商材・サービスの想起を促すことが可能 |
| 動画広告 | YouTube など | 他WEB広告にはない「音」「動き」を取り入れた広告。 静止画や文字に比べて、商材・サービスの内容をより具体的に伝え、成約後の利用イメージも明確にできる |
| SNS広告 | Facebook LINE など | 各SNSの投稿一覧などに表示される広告。 ・Facebook→ビジネスパーソンが多く、toB集客に強い ・Twitter→20~30代が多く、toC向けサービスやキャンペーンに強い ・Instagram→女性ユーザーが多く、美容・インテリアなどに強い ・LINE→利用者層が幅広い、toCサービス強い 各SNSの特長を理解し、商材・サービスに合ったSNSに広告を配信がベスト |
④SNS運用
SNSのリード獲得は、Twitter、Instagram、Facebookなどを活用していく手法です。
最近は検索エンジンによる情報収集だけでなく、リアルタイムで情報を取得できるSNSから情報を得ていく方が増えています。
一見、一般消費者(toC)に強いイメージをもちますが、最近は企業公式アカウントも多く参入しています。また、Facebookはビジネスパーソンに強いSNSでもあるため、BtoBのリード獲得も見込めます。
最近では、BtoB向けのウェビナー参加者にSNSで感想を書いてもらい、企業やサービスのブランディングを行う企業も多く見受けられます。
拡散力を上げるためには定期的に投稿を行う必要がありますが、ターゲットや目的を明確にして運用することで、自社の商材に近いユーザーも集めることができます。
各SNSによって「利用しているユーザー層」「強み」が異なるため、自社商材のターゲットが多く使用しているSNSを選び、情報発信を行ってリード獲得につなげていきましょう。
⑤オンラインデモンストレーション
リアルでの展示会が減ったことで、高額商品であってもオンラインで動作を確認したいとのニーズが増えています。
昨今は、Zoom、GoogleMeetといったビデオツールが普及していますので、これらを活用したオンラインデモンストレーションが可能です。予め撮影しておいたデモ動画を準備しておき、自社のサイトに訪れたユーザーに無料で閲覧可能にすることでもいいでしょう。
⑥メルマガ
プライベートのコミュニケーションでは、メールからチャットへトレンドが移り変わりました。ですが、ビジネスシーンにおいてはメールでのやり取りが一般的です。
チャットでは取引としては軽く、また個人情報漏洩のリスクがあるためです。一日を通してメールを全く確認しないビジネスマンはほとんどいません。メルマガを開封する仕組みを準備しておけば、効果的な訴求につながるでしょう。
オフライン
BtoBに効果的なオフライン施策を3つ紹介していきます。
①テレアポ代行サービス
とくに新人の営業担当者の中には、テレアポ(電話営業)を苦手とする人も多いでしょう。そのような時はテレアポ代行サービスを利用するといいでしょう。
テレアポ(電話営業)を代行してもらうことで、自社の法人営業担当はその他の方法に集中できるというメリットもあります。代行サービスでは、話す内容のスクリプトを決めることができますので、自社が伝えたいメッセージを伝えてもらうことが可能です。
②DM(ダイレクトメール)
インサイドマーケティングにおけるDMの主な役割は、自社サイト(LP)への誘導です。従来、DMは製品デモの申し込み用紙を付けて送付し、ファックスで申し込んでもらうケースが大半でした。
ですが、現在では見込み客はオンラインで検討することが主流ですので、自社LPに誘導することが大切です。オンラインセミナーへの集客に活用してもいいでしょう。
DM活用の最大のメリットは、効果的に認知してもらえることです。Webやメルマガでは閲覧されないリスクが高いですが、DMは確実に相手の元に届き、視界に入ります。
開封率をアップする対策を検討することでより効果的になるでしょう。リード獲得の一環としてDMを利用するメリットは大いにあります。
③展示会
自社のブランディングに自信がない場合は、展示会に出展してみると良いでしょう。
展示会は自社が提供している製品やサービスに興味がある顧客に、直接営業をかけることができるので効率的です。
ニーズもマッチしてるため、自社のブースで製品やサービスについて詳細な説明ができるだけでなく、名刺交換などにより後日アポを取ることもできます。
展示会は、マーケティングがメインのタイプや、営業支援がメインなど様々なため、事前にチェックして自社の製品・サービスにあった展示会に出展しましょう。
下記展示会が来場者も多く有名です。
「DX expo」
「マーケティングテクノロジーフェア」
BtoBで新規開拓を成功させるための3つのポイント
ここでは、BtoB向けの新規顧客開拓を成功させるためのポイントを3つ紹介します。
POINT①:コンテンツを見直す
まずはコンテンツを見直します。昨今、サブスクリプションモデルが普及したことで従来の売り切りモデルは下火になるなど、ニーズのあるビジネスモデルに変化が生まれています。
もしかしたら、ユーザーは、自社のサービスよりも他社のサービスに魅力を感じているかもしれません。ニーズの少ない商品に対してリード獲得方法を変えたとしても、ユーザーが他社に流れてしまうため、リード獲得の効果は薄いでしょう。
扱っている商品やサービスには必ずライフサイクルがあるため、コンテンツを定期的に見直してアップデートすることが必須です。
POINT②:カスタマージャーニーを作り変える
コンテンツを見直したら、次にカスタマージャーニーを作り変えます。目的は、ユーザーの購買プロセスを可視化して課題を明確にすることです。
カスタマージャーニーがない企業は、ユーザーの購買プロセスを可視化するためにも、カスタマージャーニーを作ることをおすすめします。営業プロセスの課題・改善点をチームで共有できるようになるからです。
カスタマージャーニーは、シンプルな購買プロセスであれば、エクセルやスライド一枚ほどのボリュームです。1日、2日ほどの時間があれば制作できる資料なので、チームリーダーが率先して作ってもいいでしょう。
※「カスタマージャーニー」とは・・・設定したターゲット層の行動・思考・感情などの動きを時系列でまとめて可視化した資料です
POINT③:組織のGOサインを得る
コンテンツとカスタマージャーニーが準備できたら、あとはプロセスに落とし込んで、実践していきます。この段階になったら、営業チームでミーティングを開いて、具体的な目標とプロセスを決めることになります。
大事なことはスピード感。ですが、従来の営業スタイルに慣れてしまっている社員が多いと、危機感に乏しく新しいことにチャレンジすることが難しいこともあるでしょう。
孤立してしまうかもしれません。この時は、信頼のおける経営層や上司にプレゼンして、組織の決定事項としてチームメンバーに伝える工夫も必要になります。
自社に適したマーケティング施策で新規顧客を開拓
新型コロナウイルスによる世の中のデジタル化へのシフトは、toBをターゲットに営業活動する企業を大きく変えました。従来の営業方法が使えなくなったことに加えて、カスタマージャーニーにも変化が生まれています。
現在、BtoB営業において新規顧客を増やしたいと考えている企業であれば、自社に適したマーケティング施策に切り替えることが必要です。
今回ご紹介した8個の施策は、ビジネスによってそれぞれ向き不向きがあります。カスタマージャーニーと照らし合わせて入念に検討することを心がけてみてください。
施策の検討に時間がかかる場合には、すぐにでも始められるテレアポ代行サービスやDM(ダイレクトメール)を活用することから取り組んでみるといいでしょう。
