会社でダイレクトマーケティングの導入が決まったものの、実際よくわかっていないという方も多いのではないでしょうか?
- 今さらダイレクトマーケティングって何?とは聞けなくて調べている
- どんな手法があるの?
直接顧客へ働きかけるダイレクトマーケティングは、事前に知っておくべきことがいくつかあります。
今回この記事では、ダイレクトマーケティングがわからないという方に「ダイレクトマーケティングの基本」「手法の種類」「メリット・デメリット」についてまとめました。
よりイメージがつくように、消費者向けにダイレクトマーケティングを展開している企業の「成功事例」も解説しています。
この記事を読むことで、ダイレクトマーケティングの基礎を理解し、自社にどの手法を取り入れるべきかイメージがつくようになります。
専門用語は使わずにわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ダイレクトマーケティングとは?基礎知識と特徴
ダイレクトマーケティングは名前に「ダイレクト」が付くように、企業と顧客が直接つながるマーケティング手法です。
近年ではインターネットの発展や新型コロナウイルス感染症に伴い、さらに効果や手法が複雑化しました。この項目ではダイレクトマーケティングの基本と、特徴について解説します。
ダイレクトマーケティングとは
「ダイレクトマーケティング」は、企業から顧客へ直接コミュニケーションを取るマーケティング手法です。
主にダイレクトマーケティングと言えば、私たちの日常生活でも親しみがあるSNSや会員登録をすると定期的に届く、紙媒体やWeb上で届く「DM(ダイレクトメール)」が思い浮かぶでしょう。
しかし、DMはダイレクトマーケティングの一手法に過ぎません。相手のニーズを捉えて、積極的にコミュニケーションを取っていく活動全般を指します。
やや抽象的ですが、直接顧客とコミュニケーションを取る動きと捉えておくと良いかもしれません。
ダイレクトマーケティングと一緒に、『ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Markting)』という名称があがることも多いです。
これは企業側が宣伝したことに対して、顧客がお問い合わせなど反応した後に、商品を販売する手法のことをいいます。そのため、ダイレクトマーケティングの一種ですが、内容は異なるので注意しましょう。
ダイレクトマーケティングの特徴
ダイレクトマーケティングの特徴は、下記の3点です。
- 企業と顧客が直接的にコミュニケーションを行う
- あらゆる媒体を活用し、顧客の動きが計測できる
- 計測された動きをデータ化して販促活動へ繋げられる
例えば身の回りにあるマーケティング手法といえば、新聞広告やCMがあるでしょう。この手法は大まかに「マスマーケティング」と言われ、一方的な発信が主体です。
※マスマーケティングとは…大量生産・大量販売を行いすべての消費者に同じ手法で行うマーケティング活動のこと。テレビCMをイメージすると良いでしょう。
ダイレクトマーケティングとマスマーケティングの違いは、「顧客のニーズを踏まえた上でマーケティングを行う」ところにあります。
つまりダイレクトマーケティングは「顧客が何を求めているか?」という考え方が前提にあるため、ダイレクトに双方向の意思疎通が可能です。
ニーズに合わせて企業側の提供するものを変え、より顧客にとって魅力的なものを提供していく仕組み。
ダイレクトマーケティングをうまく取り入れれば顧客が企業のファンになりやすく、安定した集客・売上も得られやすくなります。
ダイレクトマーケティングでよく使われる手法4選
ではダイレクトマーケティングの具体的な手法について、詳しく解説していきましょう。
代表的な手法は下記の4つです。
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
- Eメールの配信
- SNSを利用して拡散
それぞれ特徴が異なりますので、事前に押さえておくと違いが分かりやすいです。
ダイレクトメール(DM)
ダイレクトメール(DM)は、直接顧客へ紙媒体のチラシやハガキを送付する方法です。今でもよく使われている手法で、多くの顧客へ送付され続けています。
どの顧客へ送るかは自社のリストを活用するため、一度接点を持った顧客が中心です。顧客からのレスポンス率が高く、非常に効果的な手法として馴染みがあります。
しかし印刷費やデザイン料、郵送料金といったコストがほかの手法よりもかかる傾向です。適切な顧客へダイレクトに響くような、効果的なDM送付が求められるでしょう。
DMに適している顧客は在宅時間が長く、郵便物をよく確認する主婦や高齢者の方へ高い効果が見られます。
新規顧客の獲得に加え、魅力的な内容を打ち出せればリピーターの獲得にも繋がりやすいです。
テレマーケティング
テレマーケティングは、電話やFAXを活用して顧客へアプローチを行う方法です。おもに下記2つの方法が取られます。
- インバウンド:連絡を受ける
- アウトバウンド:こちらから連絡をする
それぞれの手法やメリット・デメリットを表にまとめました。
| インバウンド | アウトバウンド | |
|---|---|---|
| 手法 | 先に広告や宣伝活動を行い、電話をかけてくるお客様を待つ反響型 | 見込み顧客に電話でアプローチする新規開拓型 |
| メリット | 反響型なので一度コールがあると成約につながりやすい | 直接顧客の声が聞ける 対話を求める顧客から人気 |
| デメリット | コールを待つ人材が必要なためコストがかかる | プロセスが多く効率が悪い 対応が悪いとクレームになりやすい |
どちらも良い面・悪い面がありますが、共通点はコールスタッフの対応が重要です。対応が悪いと、反響型でも成約しにくくなり、アウトバウンドの場合は企業イメージが悪くなる場合があるため、コールスタッフの教育・育成は必須といえるでしょう。
Eメールの配信
近年ではDMをハガキや封筒ではなく、Eメールを使って配信する方法も一般化しました。
Eメールを使ったDMは、下記のようなメリットがあります。
- ハガキや封筒と比べて低コストで運用できる
- 一度に大量のメールを送れる
- 興味・関心が湧く話題はSNSでの拡散も見込める
比較的運用を始めやすく、コストもかかりにくい手法です。
しかし運用している企業が多いため、顧客にも多くのDMが送られています。開封されるには魅力的なタイトルや見出しといった工夫が必要です。
未読や迷惑メールへの振り分け機能もあるので、Eメールだけではなくハガキや封筒といったDMも並行すると良いでしょう。
またメールを送りすぎてしまうと顧客が不快に思う場合もあります。特定電子メール法や回数、ボリュームにも注意しなくてはなりません。
SNSマーケティング
SNSはソーシャルネットワーキングサービスという、登録者同士で交流が図れる会員制サービスを指します。ここに企業アカウントを作り、直接顧客と交流を図るのがSNSマーケティングの手法です。
普段SNSを開く顧客にアプローチでき、ダイレクトマーケティングの特徴にある「双方向なコミュニケーション」を強く実施できます。
主に使われるSNSは下記の6つです。
- YouTube
- TikTok
- LINE
顧客とコミュニケーションを取りやすい一方で、発言内容やコミュニケーションの取り方次第では「悪印象」または「炎上」となる危険性があります。
影響力・拡散力が強い媒体を使うと一気に広まってしまうため、コミュニケーションを取る際は十分に信頼関係を構築する必要があるでしょう。
ダイレクトマーケティングが向いている業種
ダイレクトマーケティングはとくに不向きな業種がなく、あらゆる業種で活用できます。
| 業種 | 事例 |
|---|---|
| ECサイト 健康食品メーカー など | 無料サンプルの送付で定期購入へ |
| 保険 | 資料請求を元に顧客獲得 |
| 飲食 小売 | 割引券の送付で来店率アップ |
中でもデータ化が可能なECサイトは、ダイレクトマーケティングと相性が非常に良いです。
というのもECサイトでは「レコメンデーション」という手法が使われています。この手法は顧客の購入情報を分析し、関連する情報を顧客に合わせて表示する仕組みです。
よく大手通販サイトで買い物をすると、関連商品が表示される経験をされた方もいらっしゃるでしょう。
ダイレクトマーケティングとレコメンデーションを組み合わせれば、さらにECサイトの販促効果は高まります。
ダイレクトマーケティングの成功事例3選
最近では通販・EC業界だけでなく、流通や小売など業種問わず多くの企業がダイレクトマーケティングで業績を伸ばしています。
ここでは、ダイレクトマーケティングで成功している企業の事例を3つ紹介します。
イメージがつきやすいように、私たちの生活に身近な企業を抜粋してお伝えします。
Amazon
今や私たちが生活する上で、知らない人はいないほどの通販業界最大手の「Amazon」も、ダイレクトマーケティング成功している企業です。
具体的な施策は下記です。
- メールで定期的なオファー(セール開催情報など)
- 購入/閲覧履歴からのオファー(関連商品や「〇〇をお探しですか?」など)
Amazonを利用している方なら、定期的に上記のようなメールを受け取り「商品を購入した」「セール開催時にまとめ買いをする」という経験をした方も多いのではないでしょうか?
Amazonは自社のビッグデータを活用して、各ユーザーのニーズをピンポイントで捉えます。そのため、不快感を与えずに顧客が欲しい情報や商品を的確に届ける、最適なダイレクトマーケティングを行っています。
パズドラ
社会現象にもなり、老若男女問わず人気を集めたスマホゲーム「パズドラ(パズル&ドラゴンズ)」。
パズドラを運営する「ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社」もダイレクトマーケティングに成功した企業の1社です。
具体的な施策は下記です。
- 24時間356日営業のコールセンターを設置
- ガンホーフェスティバルなどのイベント開催
ユーザーの声を直接聞いて、サービスの改善・向上につなげています。また、ユーザー(顧客)と企業が接点をもてるイベントも定期的に開催。
オンライン・オフラインの両軸でユーザー(顧客)と信頼関係を構築して、ファン作りに成功しています。
BASE FOOD
パン・パスタの完全栄養食の宅配サービスを行う「BASE FOOD」。SNS上で広告を配信したり、UGCでユーザーの集客に成功しています。
※UGCとは…User Genetated Contentsの略で、”ユーザー生成コンテンツ”という意味です。購入したユーザーが、製品についてSNSやブログなどで発信し商品に対するレビューを行うこと
具体的な施策は下記です。
- モニターを起用した写真投稿や、感想が書かれたSNS投稿を自社で紹介
- 社員と交流できる「ベースフードラボ」で顧客の声から商品開発
BASE FOODは、購入したユーザーが主にインスタで製品を活用したレシピを投稿しています。リアル感があるため、SNSユーザー(顧客)と近い立場でコミュニケーションを取り販路拡大に成功しています。
ダイレクトマーケティングのメリット
ダイレクトマーケティングは、顧客からの支持も得られやすいマーケティング手法です。
ダイレクトマーケティングのメリットは、主に下記の4つです。
- コストパフォーマンスが高い
- 顧客とのコミュニケーションが双方向に取れる
- 反応に関するデータを収集できる
- 事業が拡大できるチャンスがある
ダイレクトマーケティングを活用すると、直接見込みのある顧客へアプローチできます。かける費用に対して得られる効果が高い傾向です。
顧客とも直接的なコミュニケーションが取れるため、顧客からの反応をそのまま商品や運用体制に転換できます。
また得られる反応は、データとして収集できるのも大きなメリットです。例えばハガキとEメールで同じクーポンを配布し、使用率を計算します。
目標に合わせてどちらを選択するか指標になるので、データ収取しておくと非常に心強いです。ダイレクトマーケティングは活用すれば、店舗を持たなくとも販売活動が行えるようになります。
新たな事業を開拓できるチャンスがあるのもポイントです。
ダイレクトマーケティングのデメリット
ダイレクトマーケティングはメリットだけでなく、もちろんデメリットもあるため、事前にどんな点があるか押さえておきましょう。
デメリットとしては、下記の3つが挙げられます。
- 費用回収に時間がかかる
- 高い効果が最初から得られるわけではない
- データ収集・分析に人員を割かれてしまう
ダイレクトマーケティングを行う上で、リスト作成やDM配布といった投資費用がかかります。
コストをかけないとデータが収集できないほか、見込める効果も弱くなるでしょう。最初から惜しまず投資する必要があります。
しかし実施した初期から、高い効果が得られるわけではありません。データから最適解を調整し続ける性質のため、徐々に効果が高まっていく傾向です。
データの収集や分析に長けている人員を配置する必要もあります。長期的に計画を立てなければ、無駄な費用がかかってしまうでしょう。
ダイレクトマーケティングを導入するならより効率的な運用を!
ダイレクトマーケティングは非常に効果的な一方で、結果が出るまでには時間がかかります。長期的な計画と運用が大切になるため、短期的な効果を求めず取り組むのが良いでしょう。
最近はネットの普及により、オンラインでのダイレクトマーケティングが加速してきています。
以前までは、Web広告を使った集客がメインでしたが、最近は商品・サービスのリアルな声がすぐに確認できるという点でSNSによる、ダイレクトマーケティングが主流になりつつあります。
売上を最大化させるために、どのダイレクトマーケティングの手法が良いのかを見極めて活用していくようにしましょう。